受験の前に知っておく18のこと/01_偏差値30から東大合格？
偏差値30から東大合格？ †
予備校のチラシやネット掲示板上に躍る、
「偏差値30からわずか1年で東大合格！●●ちゃんの学習計画」
「30だった▲▲くんの偏差値がわずか1ヶ月で60へ！脅威の成績アップ術」
など、非常に魅力的なこれらの文章。
しかし！これらの話には気をつけなければなりません。
なぜなら『総合偏差値が』30だとはどこにも書いていないからです。
「総合偏差値」が30であるならば、それはつまり全教科総合の偏差値が30だということです。
これならば、どの教科も底抜けに出来ない子であることは容易に想像できます。
ところが！はじめに書いたような一目には魅力的に映る文にある「偏差値」は、
苦手な1教科だけの偏差値である可能性があるのです。
それはつまりどういうことかというと、先の
「偏差値30からわずか1年で東大合格！●●ちゃんの学習計画」の●●ちゃんを例にとって見ると、
「物理の偏差値は確かに30だったけど、数学・社会・英語の偏差値は70だった」
なんてこともありえるわけです。そりゃ受かります。
「30だった▲▲くんの偏差値がわずか1ヶ月で60へ！脅威の成績アップ術」の▲▲くんについては、
「数学の偏差値は確かに30台。しかし他の教科は軒並み70前後。この1ヶ月数学を頑張って偏差値を45まであげることが出来た。そのおかげで『総合偏差値』が60に達することが出来た」
と、こんなカラクリも、やろうと思えば可能ですね。偏差値30・偏差値60といった具体的な数字にうそ・偽りはありませんから。
他にも偏差値の話で困るのが、こんな場合。
「ボクは本当に模試で総合偏差値が40くらいしかなかったよ。数学なんて全く手が出なかったね」と熱く語る■■君。
ちょっとまってね。それは何の模試ですか？
模擬センター試験であるマーク模試ならば、ある程度信用できる「出来なさ」ですが、■■君、
その偏差値、難関大模試のものではないかい？
大手予備校が開催する、難関大志望者向けの模擬試験。「東大模試」とか「京大模試」とか、いろいろありますね。
それを受ける人たちっていうのは、難関なところを目指してるわけですからみんなやり手です。
お勉強、できる子たちです。
そんなできる子たちの中で「偏差値40」ならば、全国の受験生の中でならば「偏差値60」はあるんじゃないでしょうか。
Jリーガーやプロ野球選手としては目立たないけれど、一般人と比べればその差は歴然。月とスッポン。
■■君はそういうタイプの人でしょう。
すべてにカラクリがあるとは限りませんが、もしもあなたが
「低偏差値から難関大合格！」というような言葉に出くわしたときには、十分気をつけてみてください。
